爪の症状

割れ爪から巻き爪に|割れ爪の予防方法をご紹介

爪は健康のバロメーターと言われています。爪が割れやすくなったり、縦筋が入ったり、色が変色してきたりなど、外的な要因だけでなく、健康状態によって起こる身体の変化が爪に見て取れるように現れてくる場合があります。爪の異常から感染症や糖尿病といった全身疾患の症状と関係することもあり、爪のちょっとした変化に目を配ることが大切だと言われています。今回は爪の構造から、爪に起こる変化についていくつかご紹介してきます。

爪の知識(構造・伸びるスピード)

爪に起こりやすい症状4つ

割れ爪などの具体的な予防方法について

爪の知識

爪の構造

爪は皮膚の一部というのをご存知でしょうか。反対に骨と似ていると思われ、カルシウムで爪が構成されていると勘違いされることが多いです。しかし実は爪はタンパク質の一種のケラチンで構成されており、皮膚の表皮が角質化したものです。また、1枚に見える爪は実際は3層構造になっています。それぞれ繊維の向きが異なり、縦横に交互に重なり合わさることで強度がありつつも柔軟性も備えています。

爪の伸びるスピード

手の爪の伸びるスピードは、個人差はありますが健康な成人で1日約0.1mmといわれています。1か月で約3〜4mm伸び、すべての爪が生え変わるには3〜4か月かかるとされています。一方で足の爪は手の爪に比べて約30〜50%ほど成長速度が遅いといわれています。また、寒い時期よりも暖かい時期のほうが爪の伸びるスピードが速くなる方もいます。

爪に起こりやすい症状について

爪に起こりやすい症状を4つほどご紹介します。

爪が割れる

爪が横や縦に割れたり、欠けたりすることがあります。爪が縦に割れた状態を【爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)】といい、爪の根元まで割れている場合と爪の先端のみ割れている場合があります。原因は、乾燥により爪が脆くなることで外的な刺激に弱くなり割れるケースが見られ、職業柄、指先に力を入れて酷使する場合にも起こります。乾燥は家事など水仕事によるものや、マニキュアに対して除光液を使用するなどで爪の水分が失われます。爪の主成分であるタンパク質のケラチンが不足すると、脆くなりやすい・割れやすいのも考えられ、加齢や妊娠・授乳中に不足しがちです。

爪甲縦裂症

爪に縦筋が出る

一般的によくみられる症状で、【爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)】とも呼ばれます。加齢が原因のため50代頃から増加し、筋が目立ちやすくなるでしょう。老化現象のひとつなのであまり心配する必要はありませんが、進行すると筋に沿って爪が縦に割れやすくなります。対処には爪の保湿が大切です。皮膚同様にハンドクリームを塗るなどして日頃のケアを行ってください。

爪が薄くなる

爪が薄くなるときはこれまでと同様に乾燥や栄養不足が関係している場合と、爪を作り出す爪母(皮膚に埋まっている部分)と呼ばれる箇所になんらかの病気が影響を与えてしまっている可能性があります。

二枚爪

爪の表面から層が剥がれる症状で、【爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)】ともいいます。原因は爪の割れと同様に、乾燥や栄養不足が関係します。乾燥して脆い爪が爪切りによる負荷が加わった際の勢いで層が剥がれ、二枚爪を生じることがあります。層が薄くなるほど爪の強度が弱くなるので、気付いたら保湿ケアを率先して行うのがよいでしょう。

割れ爪などを引き起こさないための予防方法について

爪に栄養を与える

爪を構成するタンパク質の摂取と、吸収を促す栄養素を同時に摂取したいところです。加齢と共にタンパク質の吸収力は衰えていくとも言われ、髪の毛が年齢と共に薄くなっていくのにも同様に語られます。さらにはビタミン不足は爪の水分保持やツヤを維持するためにも必要です。他にもカルシウムや亜鉛なども大切です。つまりは、日頃バランスの取れた良い食事を心掛けるべきということです。一方で、ダイエットによる食事制限は栄養バランスが崩れるので、過度なダイエットを行わないように注意しましょう。

保湿をこまめに

とくに水仕事をされる場合は、水が蒸発するとともに爪の水分もいっしょに蒸発してしまいます。水気をタオルなどでしっかり拭き取り、自然乾燥させないように気をつけましょう。拭き取ったあとは保湿クリームを塗ったり、爪専用のオイルを塗るなどのケアを取り入れてみてください。

また、頻繁にネイルカラーやジェルネイルを行う方は注意です。ネイルオフの際に水分が奪われることになり、断続的に行うと爪はどんどん乾燥して脆く変化していきます。

爪を安全な形状に整える

爪の整え方や形を間違うと、ちょっとした衝撃や靴下のひっかかりなどで割れ欠けに繋がります。正しい形に整えればそういった外的要因による症状を防ぐことができます。爪を安全な形に整えるには、まず道具選びが大事です。一般的に爪切りを使用していると思いますが、脆い爪や、そもそも爪切りの刃の切れ味が悪い場合に爪が割れたり欠けが起こります。そこで爪ヤスリが推奨されます。切るよりも削ることで割れ欠けを防ぎ、爪を安全に整えることが可能です。

爪の形はスクエアオフという形が理想です。爪を真上から見た時に、長さは指先と同じくらい。四角く、角が残っている状態に整えましょう。角が尖りすぎると危ないので、適度にヤスリがけして滑らかにすると安全です。

使い方ですが、ヤスリをまず指に対して垂直に当て、横向きに一方向に削ります。往復させると爪への負担が増えるので避けてください。指先から出っ張った爪先を削っていくと、徐々に指先にヤスリが擦れていきます。そこがちょうどいい長さです。

今回ご紹介した爪の症状は日頃の爪のケアや整え方を注意することである程度予防でき、二次的に巻き爪になるリスクを減らすことができます。しかしながら巻き爪や陥入爪になってしまう原因はこれだけではありません。当院では患者さんそれぞれの爪トラブルの原因を突き止め、改善指導を行っています。症状が酷くならないうちに、違和感や痛みに気づいたら早めにご相談ください。

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