外反母趾とは?足の変形が巻き爪の原因となる関係性について

巻き爪の矯正に来院される患者様の多くは足の変形がみられます。
その中でも特に多いのが外反母趾です。

生まれつきの先天性の変形から、生活習慣が原因の後天性によるものまで症状は様々です。
今回はその外反母趾と巻き爪の関係について説明していきます。

『目次』
・外反母趾とは
・外反母趾の種類
・外反母趾の症状と巻き爪との関係
・外反母趾の改善・予防方法
・まとめ

目次

外反母趾とは?

外反母趾とは、足の親指(母趾)が付け根から「くの字」に変形した状態で、体の中心軸から外側反っている状態を「外反」といいます。

症状が進むと、歩く際につらい痛みを伴います。また、長時間歩いて靴を脱いだ後に痛むケースもあります。

※小指(小趾)が体の中心軸に向かって内側に反っている状態を「内反小趾」と言います。

外反母趾の男女比は、1:10といわれて圧倒的に女性の方が多い疾患です。

しかし、男性でも悩んでいる人が少なくありません。あるデータでは、女性の23%から35%に生じると言われています。つまり3~4人に1人の割合で外反母趾があるという事になります。10代の女性にも生じることがあります。

もともと親指は5~10度程度は曲がっています。

外反母趾では、曲がる角度が15度以上になります。外反母趾は放っておくと徐々に進行していき、曲がる角度が大きくなればなるほど、足全体の変形につながります。

加齢などによる筋肉の衰えとともに症状が進み「変形」「痛み」などの自覚症状が現れ、悪化していきます。重度になると歩行や一般生活が困難になる場合もあります。

外反母趾の種類

外反母趾

医学用語では、親指の第1関節をIP関節、第2関節をMTP関節と呼んでいるので、親指にある2つの関節のうち、付け根に近い第2関節から曲がるものをMTP外反母趾と言い、一般的にこの症状を外反母趾と言います。
それぞれの関節が単独で変形するケースと、2つの関節同時に変形するケースがあります。

また、MTP外反母趾の中にも仮骨性外反母趾・靭帯性外反母趾・混合性外反母趾・病変性外反母趾・ハンマートゥ性外反母趾などがあります。

仮骨性外反母趾(かこつせいがいはんぼし)

親指はあまり曲がっていないが、親指の付け根の骨だけが出っ張り曲がったようにみえる。

靭帯性外反母趾(じんたいせいがいはんぼし)

親指の付け根から小指の付け根をつなぐ横中足靭帯(横アーチ)が伸び縮みしてしまい(開帳足)、親指が小指側に曲がる症状。この症状の8割の人に内反小指があります

混合性外反母趾(こんごうせいがいはんぼし)

主に仮骨性外反母趾と靭帯性外反母趾が進行し混合したもの。

この症状が最も多く外反母趾の一般的なイメージではないでしょうか。

病変性外反母趾(びょうへんせいがいはんぼし)

リュウマチやへバーデン結節などの病的要素を含んだ関節の異常変形。

ハンマートゥ性外反母趾

生まれつき趾関節が縮こまりハンマーのようになっている、または趾が反るように上を向いている人に起こりやすい。モートン病や足の中足関節の脱臼の原因にもなる。

IP外反母趾

通常の外反母趾が親指の付け根から「くの字」に曲がるのに対して、IP(アイピー)外反母趾は、足の親指の第一関節(IP関節)から「くの字」に曲がる症状です。
IP外反母趾は、趾節間(しせつかん)外反母趾と呼ばれたりします。

先天的な原因としては、生まれつき親指の先端の骨が変形していることが挙げられます。
後天的な原因として、開張足や扁平足を発症している方がIP外反母趾になっているケースが多いために開張足や扁平足が関係しているのではと考えられています。

外反母趾の症状と巻き爪との関係

外反母趾になると、親指の第2関節が突出し靴に当たることで炎症やしびれ、神経を圧迫して痛みを伴うなどの症状があらわれます。

さらに外反母趾の多くは、扁平足も伴っていて足の縦横のアーチがつぶれ横幅の広い「開張足」や、指が浮き上がる「浮き指」「足裏タコ」「魚の目」など、様々な足のトラブルを伴い痛みで歩くのが難しくなることがあります。

親指の変形により隣の人差し指に干渉または、指どうしが上下に重なり合い、歩行時に自分で自分の指を踏んでしまうことが起きます。

また、足を地面についた際、親指がねじれる変形が起こることで圧力が正しく爪に伝わらず圧力の不均等が起こります。

このような足の変形から爪にかかる圧力の変化は巻き爪や陥入爪(かんにゅうそう)の原因の一つになります。

外反母趾の改善・予防方法

 靴の選び方

踵から足の甲がフィットして指先はゆったりとした形で、ヒールは低く、足の形を補正できる素材の靴が推奨されています。

またアーチを補強するような形のインソール(中敷き)を併用することも有効です。

セルフケア

外反母趾を改善・予防するには、普段から足のセルフケを継続して行うことが有効です。足指をはじめ、足の機能を回復させるセルフケアで足の機能が充分発揮できるようになれば、足のトラブルを予防できます。

ホーマン体操

ゴム紐を両足の親指にかけ、踵をできるだけ離さないようにくっつけたまま、ゴムを引っ張る方向に力を入れる

効果)軽度から中等度の外反母趾に対して痛みの軽減が期待できます。

タオルギャザー運動

広げたタオルを足の指5本全部でタオルを集め片足ずつ交互に行う

効果)足の指を曲げる筋肉には、足の縦アーチと横アーチを支える作用のある筋肉が活動するため、開張足の悪化や予防対策になります。

※重度の外反母趾の方は変形を増強する場合がありますので注意してください。

足指のグー・チョキ・パー体操

足の指でグー・チョキ・パーを作って指を開く母趾外転筋運動

効果)足指の筋力アップ。それぞれの足指を鍛える効果があります

つま先立ち運動

はだしになって床にまっすぐ立ち、転ばないよう壁やイスなどの背もたれを持ってつま先立ちをします。

効果)かかとを浮かせてつま先に体重をかけるつま先立ちは、横のアーチのくずれを防ぐのに有効です。

まとめ

足は若い頃の負担が蓄積して長い人生を送るうちに筋力の低下とともに徐々に変形していきます。そのためにも足をできるだけよい状態にしておくことが、年齢を重ねても元気で歩き、充実した毎日を過ごすために大切であるといえます。そのためには、まず自分の足の状態をよく知っておくこと、自分に合う靴の選び方、フットケアや運動を日々の生活に定着させることが重要だと考えています。

当院では巻き爪矯正だけでなく、ひとりひとりに合わせた根本原因改善の指導も行い、患者さま方の健康寿命を延ばすお手伝いをしています。足や爪の普段のお手入れ方法、生活習慣など気になったことはお気軽にご相談ください。

カウンセリングのみでも受け付けています。

東京巻き爪矯正院 練馬院

湯澤 憲司

練馬駅A2出口より徒歩3分の通いやすい立地

住所:東京都練馬区豊玉上2丁目27-23

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