巻き爪と陥入爪の違いとは
爪の変形の代表的な疾患として、陥入爪(かんにゅうそう)と巻き爪とが挙げられます。
自分では巻き爪だと思っていたのに病院に行ったら「陥入爪」と診断された。何が違うんだ?
このような巻き爪患者さんの質問をよく受けます。
陥入爪は爪の端や角が周囲の皮膚に食い込んだ状態、
一方で巻き爪は、その名の通り爪が内側に巻いている状態のことです。
この2つは異なる言い方をしますが、合併して起こるために違いがわからない人も少なくありません。今回は陥入爪と巻き爪の違いについて少しお伝えいたします。
巻き爪の特徴と原因
爪をつくっているのは「爪母(そうぼ)」といって、爪に隠れた根元の部分です。爪母でつくられた爪は、指先に向かってまっすぐ伸びていきます。
ところが、伸びていく段階で、爪の縁が横方向に丸くなり内側に巻くことがあります。健康な爪と巻き爪を比較してみると、健康な爪は緩やかに弯曲(わんきょく)しているのに比べ、巻き爪は弯曲が強くなっています。
巻き爪は正式には湾曲爪(わんきょくそう)と呼びます。 巻き爪に関してはこちらも参考に
手の指にも巻き爪は起こりますが、最も多くみられるのは足の親指です。足の親指は普段あまり見ることがないので、爪の変形に気がつかないうちに症状が進行している場合があります。
巻き爪の原因は、おもに先の細い靴を履いてつま先を圧迫することや、外反母趾、深爪などが挙げられます。
巻き爪の初期や、爪が伸びている場合は巻き爪になっても痛みを感じないことがあります。しかし、多くは巻きが強くなると、爪のふちが皮膚を圧迫して痛むようになります。
ひどくなると、爪が指の肉に食い込んで赤く腫れあがったり、出血や化膿して悪臭を放ったりするようになります。この状態が陥入爪で、巻き爪と陥入爪が合併した状態です。
ややこしい話になるので、わかりやすいくいうなれば、
湾曲状態を単に指すのか、皮膚への陥入、刺さり込みが生じている状態を指すかの違いがあるということです。
下の症例写真ですが、左が巻き爪(湾曲爪)ストロー状に巻いているので「巻き爪」と呼ばれている、一般的な巻き爪のイメージすね。一方で右の写真は深爪している陥入爪ですが、一見巻いているようには見えません、トラブルのある指に見えないようですが、皮膚に爪が陥没するように刺さり込んでおり、痛みが出ている状態なのです。これが陥入爪です。
陥入爪の原因は深爪
陥入爪は爪甲(そうこう)の両側の先端部分が皮膚に食い込んで炎症を起こして、腫れて赤くなり、痛くなる疾患です。
足のトラブルのなかでもその数は多く、子どもから高齢者までどの年代にも見られます。時には肉芽(にくが/にくげ)といって、傷口が治るときにできる小さな粒状の組織が生じることもあります。
巻き爪と間違えることが多いですが、陥入爪は爪甲の両側が指よりも長ければ、爪が皮膚に食い込むことはありません。
要するに、爪甲を短く切り過ぎることが陥入爪の一番の原因であり、悪化させてしまう要因なのです。短く切り過ぎると、そこに皮膚が隆起してきます。そうすると、爪が伸びてきたときに皮膚とぶつかって食い込み、陥入爪が起こります。
また爪を切る際に、爪の角がトゲのように残ってしまうことがあり、それが皮膚に突き刺さることで陥入爪が起こる場合もあります。突き刺さった皮膚にばい菌が入ることで、炎症を起こしたり、化膿したりする場合があります。こうなると安静にしていても強い痛みを感じるようになります。
症状が長引くと肉芽を伴うこともあります。
陥入爪のセルフケアについて
症状が軽いうちなら、セルフケアで痛みを和らげることができます。
テーピングによって痛みを緩和する方法で、爪の脇の肉をテープでひっぱり、指と皮膚が離れるように巻きつけて痛みをやわらげ、爪の正常な再生を促す方法です。
軽度の場合、こういった処置を行いながら爪を伸ばすことで、症状が改善する例もあります。
ただし、ある程度まで進行した陥入爪の場合セルフケアでは対処しきれないことも多く、陥入爪や巻き爪は初期の段階で矯正ケアすることが大切です。またテーピングの方法はあくまで応急処置、痛みの軽減を目的としたものなので、根本的な解決のために巻き爪矯正を早期に行うのが望ましいです。
やってしまいがちな巻き爪や陥入爪のセルフケアに関してはこちらの動画も参考になると思います。
陥入爪の治療では爪を作る爪母の切除などが行われる場合も
炎症や痛みが激しい陥入爪は、専門家による治療が必要です。陥入爪の治療方法は、進行具合や施設によって異なります。
病院にかかると、爪が刺さっている部分を切除する処置が施されることが多いですが、一時的に痛みは改善するものの、爪が伸びてきたときにはさらに症状が悪化することがあり、根治治療にはつながらないケースもあります。
また、爪をつくる爪母を切除し、爪が生えないようにする手術や、フェノール法といって、組織を腐食させて爪を生えないようにする方法がとられることもあります。
皮膚に刺さっていた爪の端がなくなるので、再び陥入爪になることはないという考え方に基づいた治療法です。
このような治療を行うと、本来爪に覆われている部分の皮膚が露出することとなり、皮膚トラブルが発生したり、爪が狭くなり、いびつな形に変形したりすることもありますので、適用するかどうかを慎重に判断しなければなりません。もちろん手術したら再発しないという保証もありません。
陥入爪を予防するためには深爪はNG
陥入爪の予防はとにかく深爪をせず、正しい爪の切り方をすることです。
手の爪は爪の両側の先端が外に出ていますが、足の爪は皮膚のなかに入り込んでいます。手の爪を切るように足の爪を切ると深爪になりがちです。
それゆえ、足の爪を切るときは、爪の両側の先端をちょっとだけ指先の皮膚部分まで長さを維持することにより、陥入爪を防ぐことができます。
また、巻き爪によって陥入爪が起こることもありますので、巻き爪の予防として、指が変形する靴を履かないこと、外反母趾や悪い姿勢が原因で指先が圧迫される場合は、その対策もしっかりと行うことが大切です。
巻き爪や陥入爪になったら早期に矯正を
巻き爪や陥入爪になったら、自分で間違ったセルフケアをせず、早期に矯正改善するのが解決の近道です。
千葉巻き爪矯正院 柏院
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