爪に起きる病気・症状について
爪は健康のバロメーターと言われるくらい身体の正直さが浮き彫りになる箇所です。そのため、意外にもトラブルが多いのです。 爪に起きる病気は、大まかに以下の2つに分けられます。
1.爪自体に病気として現れるもの
2.別の病気の影響で爪にも変化が現れるもの
今回のメインは「1.爪自体に病気として現れるもの」について言及します。直接的な治療方法があり、詳しくご紹介します。反対に「 2.別の病気の影響で爪にも変化が現れるもの」は爪を治そうとしても間接的な方法となり、完治が難しく(例えば、糖尿病や透析、抗がん剤治療による副作用などが挙げられるため)なります。
実は爪の異常や変化は大きな病気とセットである例が珍しくありません。爪のなにかしらの異常に気付いたとき、病院で検査をすると隠れた病気の早期発見に繋がります。
爪白癬(爪水虫)
爪白癬は「白癬菌」という真菌(カビ)の一種が原因でおこる病気です。
白癬菌は、頭に感染すると「シラクモ」、体に感染すれば「タムシ」や「ゼニタムシ」と言われ、
股間に感染すると「インキンタムシ」と言われ、感染箇所によって病名が変わり、外からやってくる「非常在菌」であるため、水虫は外因性の感染症に分類されます。
汗や濡れた状態のジメジメした環境、深爪や小さな傷をきっかけに爪と皮膚の間に入り込みケラチンを含む垢などを餌に爆発的に増えてしまいます。
初期は爪が白く濁ったり、縦方向に線が見られます。進行すると肥厚・変色したり爪全体の形が大きく曲がるなど見た目が変形し、爪そのものがぼろぼろになったりするのが特徴です。ボロボロになった爪が剥がれ落ちて、まき散らかされた白癬菌は新たな感染源になり、家族感染を引き起こす一因となるので注意が必要です。
治療には内服薬と外用薬がありますが、内服薬の方が効果があります。ですが肝臓に負担をかける副作用があり、医師と相談しなければなりません。
爪カンジダ症
爪カンジダ症は「カンジダ」という真菌(カビ)の一種です。粘膜に常に生息している常在菌で、免疫力の低下か何らかの原因で異常増殖したことが原因でおこる病気です。
症状としては爪白癬とほぼ同じですが、赤くなって腫れ、痛みを伴う場合もあります。カンジダに感染した爪は白や黄色に変色し、爪床からはがれてしまうことがあります。
診断は皮膚科で菌がいるかどうか顕微鏡で検査し、治療は抗真菌薬の内服もしくは、抗カンジタ用の塗り薬等の外用薬が必要です。内服薬は爪白癬と同様に肝臓に負担をかける副作用があり、医師と相談しなければなりません。
グリーンネイル
「グリーンネイル」は常在菌の一種の「緑膿菌」という細菌が原因で発症します。
見た目が緑色に変色することから文字通りその名前が付いています。
緑膿菌は湿った環境を好むので、爪が爪床(爪と皮膚が付いている所)から剥がれた隙間や、ジェルネイルやネイルアートの隙間などに水分が残りジメジメしていると緑膿菌が繁殖します。きれいに水分が除去できない環境が続くことで菌が異常増殖し、爪が緑色に染まるまでになる。これがグリーンネイルです。
改善方法として爪の表面に起きた場合は削ったりする必要がなく、病院で診てもらう必要もありません。単純にネイルアートをオフし、石鹼と流水で洗い流す+乾燥をしっかり約2週間継続して行います。変色はしばらく残ることがありますが、菌自体は無くなり、自然に治ることがほとんどです。
しかし、剥離した皮膚と爪の間に緑膿菌が侵入してしまった場合は、厄介です。この場合は、早期に皮膚科で診てもらいましょう。抗生物質などの飲み薬や抗カンジタ用の塗り薬等の外用薬で治療できます。
爪白癬との合併も診られる時には、抗真菌薬も処方されます。
爪周囲炎
細菌性(黄色ブドウ球菌・レンサ球菌)のものとカンジダ性のものがあります。症状は爪のまわり全体が赤く腫れるなどの炎症がみられ、疼痛(ズキズキとした痛み)といった症状、進行すると化膿し皮膚の下や爪の下に膿(うみ)がたまります。
指先の腹側が化膿するものは、ひょう疽(瘭疽)と呼ばれます。
ささくれ(さかむけ)深爪・陥入爪など様々な外傷、爪を噛む癖、ネイルケアでの過剰な甘皮処理が原因の細菌性、過剰な手洗い・水仕事、生後すぐの乳児の指しゃぶりなどで皮膚がふやけることがカンジタ性の原因です。
化膿菌が爪の根もとに向かって化膿が進んでいくため、重度になると爪が浮き上がり根元から剥がれること(爪床剥離)もあります。
治療は、初期であれば抗菌薬(抗生物質)と冷湿布、膿がたまっていると切開して膿を出す処置が必要です。
爪甲色素線状条
爪の付け根から先端まで伸びる灰色、褐色、または黒色の色素であるメラニンが沈着することで爪に出現する線のことです。
爪は根元の爪母で変化が起きると爪に反映されます。
一つは爪の根元にある爪母でホクロなどのメラニン色素の色素細胞が増え、爪にメラニンが沈着したまま伸びていくために起こります。
また、加齢に伴う爪の変化やメラニン色素の増加、ストレスや巻き爪等で血行不良を起こしている場合にも黒い線が生じます。この場合は幅数ミリの黒い線が数本現れることもあります。
外的要因としては、はげしい運動や転倒、爪の上に物を落とすなどで、爪の下でおきた出血(爪下血種)が爪の中にも染み込み、爪が伸びることで出血も移動して黒い線が生じる場合もあります。
血が溜まっている場合は、爪の血が溜まっている部分に穴を開けて、血を抜く治療が必要になります。
放置して爪の下に血種の塊ができると爪の成長を阻害して肥厚爪や爪が皮膚から剥がれる爪床剥離(そうしょうはくり)を起こす原因ともなります。
黒い線の幅が一定ではなく、増大したり黒い色に濃淡がある、または爪全体・爪周囲の皮膚が黒っぽい色に変色するなどの変化がみられる場合は、【悪性黒色種(メラノーマ)】が疑われます。
メラニン色素の細胞がガン化しているため早急に皮膚科の受診をおすすめします。
爪に起きる症状のまとめ
手や足の爪は水仕事や環境によって蒸れやすく汗をかきやすい場所であり、さまざまな細菌やカビが増殖するための条件がそろいやすく、特に皮膚と爪の間、ネイルや指輪の間は不衛生になりやすい部位です。このため、爪周囲に小さな傷があると、そこから感染を引き起こします。それによって、爪の痛みや炎症を引き起こすことがあります。
予防のため手洗いなどをした後は、しっかり乾燥させるのはもちろんのこと、洗いすぎも皮膚の脂分がなくなりバリア機能が損なわれます。
手洗い・消毒後は、しっかり乾燥させた後、爪の周りの保湿をしっかりすることで肌荒れによる感染を予防しましょう。
それでも、上記のような症状が出たときは、皮膚科を受診して早めの治療をおすすめします。
東京巻き爪矯正院 練馬院 湯澤 憲司
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