高齢者の方は巻き爪になりやすいと聞いたことはありませんか?筋力など体の機能が年々衰えていく高齢の方は、爪にもトラブルが生じやすいものです。
巻き爪などの爪トラブルを放置すると、転倒リスクが高まり大事故に繋がる怖れがあります。だからこそ、巻き爪のケアは早めが大切。
今からできるセルフケアも合わせてご紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
高齢者の巻き爪の原因
高齢者特有の巻き爪の原因を3つご紹介いたします。
なぜ年齢を重ねると巻き爪になる可能性が高いのか、それは若年層に比べると活動量が減っているからです。
爪は本来巻く性質があります。歩くことにより、足の指の下側から押される力が作用し、丸まろうとする爪の力を打ち消し、広げて平らに保ってくれているのです。
また同時に足首をうまく使えず、すり足の動きになり、浮指状態にもなっています。文字通り指が浮いて地面に接地しない状態のことを言います。散歩が習慣化していても、運動効果が薄れ、筋肉も使われず衰えていきます。
よくやりがちなのは、爪を必要以上に短く整えすぎる深爪にしてしまうこと。深爪では皮膚に爪端が埋まってしまう陥入爪というトラブルに陥りがちです。
一方、腰や膝などの関節の不調によって、ご自身で爪を整えるのが難しいはずです。すると今度は長くなりすぎて靴の内側や隣の指に爪がぶつかってしまい、その物理的な負荷も爪トラブルを発展させる要因となります。
大切なのは、爪と指先の長さを揃えること。切りすぎないため&厚くて(硬くて)切りにくい爪に、ヤスリで”削る”ことをおススメします。当院では直接やり方をお伝えしています。
こちらの動画でも実写でわかりやすく爪の整え方を知ることができます。
また年齢を重ねると体内の水分量が減少し、乾燥しやすくなってしまいます。
通常、爪は多くの水分を保ち形成されています。乾燥してしまうと爪が収縮し、巻きが進行しやすくなってしまいます。
爪が白くなっていたり 、縦に線が入ってきてしまっている方は要注意です。放置すると割れが生じ、爪の欠損に至る可能性があります。爪は当たり前に歩くために必要ですから、形を保つためには日頃の保湿ケアが不可欠です。
また、爪に縦に線がいくつも入った状態を爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)と呼び、これは特に問題はなく老化から来るもので、40代を過ぎると現れてきます。ただし、爪白癬(爪の水虫)、爪乾癬、爪カンジダといった爪に白・黄色の筋が出たり、表面が波打ったりぼこぼこしたりするのは菌による感染症状によるものです。
菌によるものは見た目に判別ができませんので医療機関での検査・処置が必要となります。
高齢者は足指の間を自分で清潔に保てない方も多く、衛生環境からこういった菌による疾患例がよく見られます。家族や介護者のサポートが大切ですね。
巻き爪対策には正しい歩き方が大切
巻き爪になる原因は、前述に歩く習慣が減少していることも関わってくると述べました。高齢者の方の中でも健康に気を使って週に何日も1万歩を目指そう、など目標をもって運動しています。とても素晴らしく、大切な習慣ですが、一歩をもっと意識して歩くことが必要になります。
実は足のどの部位を使っているかによって、正しい歩行ができているか決まっています。踵、指の付け根、足指の順に着地する3ステップ歩行が正しい歩行のやり方です。
ここで足の指がうまく使えていない可能性のある人は“足の崩れ”がある可能性があります。例えば、外反母趾、内反小趾、扁平足、浮き指などがこの足の崩れに当てはまります。
巻き爪矯正と同時に、足靴の環境も整えていくことで、より矯正の効果が期待できたり、巻き爪も改善しやすくなります。
例えばサポート力のある靴下や、靴の中に入れるインソール(中敷き)などを使用することもお勧めです。
新型コロナウイルスの影響で外出頻度が減少し、歩く機会が減った方も多いと思います。
これは高齢の方だけの問題ではなく、歩かない生活をしていると爪が巻きやすくなってしまうとも言えます。
当院では足や靴の環境のアドバイスもおこなっていますので、気になったことはいくらでもスタッフに質問してみてください。ご自身で気づかない原因は、しっかりこちらからお伝えします。
巻き爪でお悩みの方、爪に違和感がある方はぜひ一度ご相談ください。
コメント