高齢者のための靴|楽な脱ぎ履きは卒業して転倒リスク減少

現在、高齢者用の靴は多様化しており、オシャレなものから機能性のあるものまでたくさんの種類があります。種類が豊富な分、選ぶ難しさも出てくるでしょう。選ぶ側が目的に合った靴を適切に選択できているのかと言えば、そうではないのが実情です。靴選びのポイントを見ていきましょう。

◆高齢者と靴

歩くための靴

高齢者が「歩く」となると、常につきまとうのが転倒の危険性です。高齢者が要介護状態に至った原因の5位に「骨折・転倒」がランキングされているほど重要な問題です。

65歳以上の高齢者の約1/4が1年以内に転倒を経験しているという統計も出ているようです。その6割以上が屋外で転倒しており、さらにその8割が靴を履いて歩行している時に転倒しているようです。もちろん、転倒に至る原因は靴だけの問題ではありませんが、適切な靴を適切に履いていないという現状があります。

高齢者の靴選択

どのような観点で靴を選んでいるのでしょうか。選択理由の上位にあったのは「足にフィットしている」「脱着が楽にできる」というものでした。「歩きやすかった」という理由は最下位だったようです。この結果をみてみると高齢者の靴選びの傾向として、履いた時にアッパー(甲の部分)が柔らかく、足への当たりが優しいもので、さらに脱着が楽にできるものを選んでいるということが分かります。この背景には日本においては「靴は屋外で履き、屋内では脱ぐ」文化が定着しているため、「履きやすさ」「脱ぎやすさ」を重要視する傾向があります。しかしながら、本来持っている機能を十分に生かしきれず、柔らか過ぎるアッパーやソール、ヒールカウンター(踵の支え)のない靴で歩き続けることがどれだけ足に負担をかけているかを考えてみなければいけません。不適切な靴を履き続けると、巻き爪や外反母趾、タコなどの足のトラブルを引き起こしてしまいます。

高齢者の身体機能と足のトラブル

高齢者の足トラブルの多くは巻き爪や外反母趾、扁平足や開帳足などの変形が見られます。足のアーチを保持するためには、歩くことにより足裏の筋肉を刺激することが必要です。高齢者に限らないが歩くことが減ると足裏の筋肉が減り、アーチが保持できなくなり、開帳足や扁平足を招き、巻き爪にもなりやすくなります。したがって、靴云々の前に若い頃から良く歩く習慣を身につけておくことが大切なことです。

 

最後に靴選びを考える時には、靴を履く人の状態、目的、靴の持つ役割などを総合的に判断して、選んでいく必要があります。最適な靴選びをすることによって、足トラブルや転倒を避けることができます。足の健康は体全体の健康につながってきます。正しい靴選びをしてたくさん歩くように心がけましょう。

どういう靴選び、履き方が理想的か

高齢者であるほど、脱ぎ履きが大変であったり煩わしく感じるものです。当院へ巻き爪などの症状を抱えて来院された患者さん方はやはり楽な構造の靴を履いていらっしゃる傾向にあります。車イスなどの要介護状態であれば、マジックテープ式やスリッポン、サンダルでも歩行習慣が少ないので目立った負荷がかかりません。しかしまだ元気に歩く方であれば紐の運動靴がオススメです。紐の固定感は足を保護する力を上げ、素足に近い感覚で歩きやすく、転倒リスクが減少します。反対に紐があるけど縛っていなければまったく意味がなく、足の一歩にワンテンポ靴が遅れて来て、何もないところでつまずいて転倒することが珍しくありません。

 

履く度に紐を締め直すのが大変だと感じるのであれば、紐とジッパーが備わっているタイプの靴を選んでみてください。結び直す手間が減ります。(週1や最低でも半月に1度締め直しましょう)紐の締め方に不安があれば直接アドバイスもしています。お気軽にご相談ください。

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