爪にはさまざまなトラブルが起こりますが、割れ爪もそのひとつです。爪が割れる原因は栄養不足であったり乾燥であったり、日常生活のなかに潜んでいることが大半です。なんらかの病気が原因になっていることもあるので、いずれにしても見過ごすことができません。
健康な爪は全体的に薄いピンク色で潤いとツヤがあります。正しい知識と予防方法を知り、健康な爪の維持に努めましょう
爪は3層構造
爪は皮膚の一部が変化したもので、髪の毛と同じケラチンというたんぱく質でつくられています。
一枚の板のように見えますが、実は3層に分かれています。それぞれ繊維の方向が異なり、3つ合わさることで丈夫で柔軟な爪が形成されています。
爪がもろくなると、1つ1つの層がはがれやすくなり、ちょっとした衝撃でも割れてしまうことがあります。爪の健康を維持するためには次のようなことを心がけるよいでしょう。
バランスの良い食生活
爪が割れるのは、爪自体の変質によるものです。
先にお話ししたように、爪はたんぱく質の一種からできているので、たんぱく質の摂取が十分でないと、爪に栄養が行き渡らず、もろくなって割れやすくなります。ビタミン類の不足も爪に悪影響を及ぼします。人体に必要なビタミンは13種類で、水溶性のものと脂溶性のものがあります。
脂溶性のビタミンはA、D、F、Kで、これらが不足すると、爪はみずみずしさを失い、乾燥して割れやすくなります。水溶性ビタミンのC・B群も、健康でツヤのある爪を維持するためには欠かせません。
そのほか、カルシウムや亜鉛不足も爪がもろくなる原因となります。栄養が偏っていると、肌ツヤが悪くなるのと同じように、爪の美しさも損なわれます。さらに、ダイエットなどで総カロリーが不足している場合も、末端にある爪にまで栄養分が届きません。
日頃からバランスのとれた食生活を心がけることや、食事の質を上げることが大切です。
こまめな保湿を心がける
乾燥も割れ爪の原因のひとつです。そのため、割れ爪を防ぐための外からのアプローチとして大切なのは保湿です。
手は、洗ったり、物を触ったりすることで、水分が奪われやすく乾燥しがちです。空気の乾燥している冬は手荒れが起こりますが、爪もダメージを受けています。
爪が乾燥すると表面がパサつき、割れやすくなりますので保湿ケアが必要です。手を洗ったり入浴したりした後、さらに寝る前などに爪の周囲にもハンドクリームやオイルをたっぷり塗り込みましょう。
保湿ケアとともに気をつけたいのが、水分を拭き取ることです。水仕事や手洗い、お風呂など、水に触れたときは、しっかりと水分を拭き取ってください。水分が残っていると、蒸発するときに潤いを奪ってしまいます。
特に爪のまわりは凹凸が多く水分が残りやすいので、念入りに拭き取ることが大切です。
洗剤や除光液も乾燥のもと
台所用の洗剤は、油分をキレイに落としますが、同じように手や爪の油分も奪ってしまいます。水仕事の際はゴム手袋をつけ、手を保護することをおすすめします。
また、マニキュアを落とすときの除光液の使い過ぎも乾燥の原因となります。脱脂性の強いアセトンが使用されている除光液は避け、アセトンフリーのものを選ぶと爪への負担が軽減されます。
短期間に何度もマニキュアを塗り替えると爪への負担も大きくなりますので、塗り替えの頻度にも気をつけてください。
爪を酷使する動作、爪切りの使い方にも注意
外力によって爪が割れることもあります。缶のプルトップを爪で開けたり、シールを爪ではがしたり、重い荷物を持ったりするなど、爪に負担のかかる動作はなるべく避けるようにしてください。ガーデニングなどの土いじりも、ゴム手袋をはめて行うとよいでしょう。スポーツなどもしっかり靴の紐を締める。インソールなどを使うとより足の指先や爪の負担も軽減することができます。
外から加わる力として、爪切りも割れ爪の原因となります。爪切りの瞬間には、爪の形が変わるほど圧力がかかっています。
爪切りでバチバチと切っていると圧力も強くなり、爪が割れたりはがれたりすることがあります。爪に負担をかけないためにも、少しずつ切っていくようにしてください。
また、切るタイミングとしては、入浴後の爪がやわらかくなっているときがおすすめです。なお爪切りではなく、やすりを使って整えると爪へのダメージが軽減されます。
爪の病気が原因で割れることも
爪の病気で割れ爪が起こることもあります。爪が割れる病気には次のようなものがあります。
【爪甲縦烈症(そうこうじゅうれつしょう)】
爪が縦に割れていたら爪甲縦烈症の可能性があります。乾燥や爪への圧力などが繰り返し加わることが原因と考えられています。
【爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)】
爪が先端からはがれていき、徐々に浮き上がっていく病気です。爪への外力や細菌感染など原因はさまざまです。
以上のように、爪が割れる原因は日常生活上の習慣であったり、栄養不足であったり、爪の病気などいろいろありますが、原因をつくっている状況に対して正しい対策をとることが大切です。
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