高齢者の巻き爪の原因と爪のケア方法

高齢者の爪白癬と肥厚爪の症例写真

爪は加齢とともに厚みが増し、乾燥が進みます。そのため、爪が曲がったり縮んだりして、巻き爪になってしまいます。
また、運動不足や歩く機会が減ることで爪が足裏から受ける圧力が減り、爪が平らな状態を保てずに巻き爪になります。

こういったことが高齢者に巻き爪が多い理由として考えられていますが、今回は予防ケアについてご紹介します。

高齢者と巻き爪

高齢者には巻き爪が多いと言われています。その理由は、加齢による爪の変化と高齢者の生活習慣が関係しています。

まず、爪は加齢とともに伸びる速度は遅くなる一方で、厚みが増していきます。そして高齢者は、油の分泌が減少するために、皮膚の表面にある角層がダメージを受けて、そこから水分が外へ出やすくなり、体全体が乾燥肌になります。

爪も皮膚の一部が変化したものなので、肌と同じく乾燥し、その影響で湾曲や縮みが進んでいきます。縮んだ爪は、内側に食い込みやすくなります。爪が厚くなったり変形することで自分では爪が切れなくなり、不衛生になり、結果として爪白癬(爪水虫)になったりしている方も多く見受けられます。

そして高齢になると、足腰が弱るために歩くことも減ります。運動不足も巻き爪の原因の1つと言われています。

人間が歩く時、足の裏側で地面を押しますが、この動作で爪が内側に曲がろうとする力が制御されています。そのため、加齢により歩くことが少なくなると、足裏から圧力を受けることが減り、巻き爪が進行しやすくなるのです。

実際に、寝たきりの人や歩くことが少ない人には巻き爪が多いというデータもあります。そして杖をついている人は、杖を突いている方の足の爪が、巻き爪になりやすい傾向があります。若い方でもコロナ渦中で外出や運動する機会が減り、同じような原因で巻き爪になるとも考えられます。

 

軽度の巻き爪はセルフケアで対応

歩く時に痛みを感じる巻き爪は、セルフケアである程度はその痛みを和らげることができます。

軽症の巻き爪であれば、風呂上がりで肌が柔らかくなっている時に、患部の爪と皮膚の間にコットンやティッシュを挟みます。

足は汗をかきやすく、靴を履いているので蒸れやすいため、雑菌が繁殖しやすい場所です。それゆえ、コットンやティッシュは、入浴前に除去して患部を洗って清潔にし、入浴後に新しいコットンやティッシュを詰めるようにしましょう。

そして、足の乾燥を防ぐために、爪と足裏全体に保湿クリームを塗ります。

巻き爪矯正グッズを使ってみよう

巻き爪対策グッズが市販されています。軽度の巻き爪ならば、ある程度の効果を期待できるものもあります。ただ、巻き爪の程度、状態や爪の質によっては効果が得られないことも多いので注意が必要です。

【1:テープ】
テープの使い方は2種類あります。

(1)爪が食い込む部分に張り、爪と皮膚が離れるように強く引っ張って固定する。
(2)爪が食い込む部分に、爪と皮膚の間に挟むように張る。

テープは、使い捨てで衛生的、手軽さがある一方で、粘着力が弱いと靴や靴下の着脱時にはがれてしまうことがあります。

【2:ワイヤー、バネ】
爪の両端に引っ掛けてテープでとめて、巻き込んだ爪を平らに戻していきます。
爪が少し伸びた状態の方が、装着しやすくなります。テープよりも少しコストがかかります。
爪の大きさに合わせてサイズを選ぶようにしてください。

【3:巻き爪矯正器】
爪の両側を留め金で引っ掛けた後、ねじを回すと、爪の中央部分を押しながら、爪の巻き込み部分を平らに伸ばしていく装置です。
装着後に足の温浴をすると、爪が柔らかくなるので矯正効果が高くなります。ドライヤーで乾かすと、さらに効果がアップします。
費用が高いのがデメリットですが、スピーディーに爪が矯正できるので、痛みに悩む人にはおすすめです。

 

高齢者の巻き爪予防で心がけることは?

高齢者の傾向として爪だけではなく、足先及び足全体の手入れが疎かになるので清潔に保つことが大切です。
巻き爪は、幅広い年齢層でみられる症状です。巻き爪になる共通の原因は、足に合わない靴や靴下を履き続けていること以外に、つま先に衝撃を受けやすい生活習慣があることなどが指摘されています。

また、水虫などの足の病気も巻き爪を悪化させる原因です。水虫は、カビの一種である「白癬菌(はくせんきん)」が、皮膚に入り込み皮膚のかゆみや炎症を引き起こします。

水虫は、爪をエサにして広がっていくので、症状が悪化するにしたがって、爪の変色が進み、その厚みも増す傾向があります。そのために巻き爪になってしまうこともよくあります。

予防は、足を清潔に保つことです。足は高温多湿で、白癬菌にとって絶好の繁殖場所なので、通気性の良い靴を履くことや、自宅でははだしで過ごすなどして、菌が繁殖しないように注意してください。

また、冷え性などで足の血行が悪い時も、爪に十分な栄養が行き届かないので、爪のライフサイクルが遅くなり、爪が厚くなって表面が凸凹してきます。

高齢者は体が不自由な人も多く、足のセルフケアも自分では行き届かないことが多いので、家族が日ごろから足のチェックとケアを行うようにしましょう。

巻き爪以外の足の異常の見分け方

巻き爪や外反母趾、浮指などは、見ればすぐにわかる症状ですが、それ以外にも足の状態を見ることで、高齢者の健康状態をチェックすることができます。

【足の指が黒っぽい色をしている】

チアノーゼ(血液中の酸素不足)の疑いがあれば、心臓、肺、血管のいずれかに異常が起きている可能性があるため、内科を受診してください。

【足の温度】

冷たすぎる時は血液循環が低下し、足の痛みも感じにくくなっていることがあります。
赤くほてっている時は、足のどこかに傷ができてばい菌が入り、炎症を起こしている可能性があります。

【かかとのひび割れや、指と指の間の皮のめくれ】

かゆみがなくても、水虫の可能性があるので皮膚科で診てもらいましょう。

上記のように、足からも高齢者の体の不調を確認することができます。家族みんなで気にかけて、早めに対処していきましょう。

高齢で自分で爪が切れない人にも

  • 正しい爪の切り方がわからない、どうやって良いかわからない
  • 腰が曲がらない
  • 目が見えなくなって
  • 爪が厚くなって自分で切れない
  • 親の爪を切ってあげたいけど、自分では切ってあげられない

など年配だけでなく、若い人でも自分で爪を整えられない「爪切り難民」は多いのです。巻き爪矯正院グループでは、カウンセリングにて爪の手入れ方法をアドバイスしたり、自分で爪の切れない方のために「爪切り」の施術メニュー (足指10指分)2,200円もありますのでぜひこちらをご利用ください。

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