変形爪(爪甲鉤彎症・肥厚爪)とは
厚みが出たり、層状に重なり合うなど、見た目にも変化が起こってくる症状を総称して、当院では変形爪と呼びます。
爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)
爪甲鉤彎症は一度爪が剥がれてしまった、または怪我により損傷してしまった場合に爪が新しく生え変わるときに障害が起こり、うまく爪が形成されないことから生じます。爪に亀裂や、伸びを妨げられる要因があると素直にまっすぐ伸びきれず、爪と爪が重なる二枚爪が起こります。それが断続的に連なり、何層にもなっていくのがこの爪甲鉤彎症トラブルです。普段の爪のケアが出来なかったり、歩くことが減ったり、乾燥といった原因でも生じることから、高齢者にも多く見られます。
爪甲鉤彎症のデメリットは、見た目もさることながら、厚みが増してくることにより圧迫負荷を受けやすくなる点です。また、同時に巻き爪も併発する場合もあり、食い込みによる痛みのリスクもあります。
厚みや硬さがあることから、セルフケアが難しく、どうしても放置されがちです。放置された期間が長ければ、それだけ改善にも時間がかかったり、改善度合いも限定的になることがあります。
また、爪白癬(爪水虫)といった爪疾患にも陥ることがあるという面でも、痛みがないからと放っておくのはよくありません。
肥厚爪
肥厚爪は単純に爪に厚みが出てしまっている状態で、硬くもなり、爪の色が黄色っぽく見えてきます。爪の色が変わっていくのは、爪自身のそもそもの色が濃く見えてきているせいです。厚みが出ただけでは大きなトラブルがないようでいて、普段の爪切りでうまくケアできなくなると、巻き爪になったり、不衛生で爪疾患が生じるリスクがあります。
変形爪にはどう処置すべきか
変形爪の場合は、医療機関に頼ろうとしても手の施しようがないと言われるケースもあります。または抜爪されることが考えられます。抜爪してもこれから伸びてくる爪が変形しながら伸びる可能性があります。
爪に何かしら伸びを妨げる負荷があると変形爪になるのですが、爪の厚み自体も負荷になっています。つまり、爪の厚みを整えてあげることが必要です。専用の爪研磨道具がないと対応できないので、そもそも医療機関にないことも多いでしょう。
当院では1~3か月程度の範囲で通院いただき、都度爪の厚みを削って整えていきます。伸びてきても厚みが繰り返し出てくるので、その都度削っていきます。爪が1枚生え変わるのに最低1年は要しますから、長期化する爪トラブルと言えます。