巻き爪は進行すると、爪の端が皮膚に食い込んで痛くなってきます。早く専門医に診てもらう方がよいのですが、まだ症状が軽いうちは自分で処置できる方法を試してみるのもよいでしょう。
自分でできる処置とは、コットンを爪と皮膚の間に挟む、コットンパッキングという方法です。今回はコットンパッキングについて、詳しくご紹介します。
コットンパッキングのやり方
自分で手軽にできる、コットンパッキングの方法です。
コットンパッキングのやり方は、とても簡単です。小さくちぎったコットンを米粒大に丸めて、爪が巻いて皮膚に食い込んでいる部分に詰めるだけです。爪を持ち上げて浮かせて、皮膚との間にできたすき間に、ピンセットを使ってコットンを押し込めば、それでできあがり。これで、痛みはある程度緩和します。
丸めたコットンがあまり大きくて硬いと、かえって指と爪に負担をかけて痛くなってしまうので、大きさと硬さは自分で調整しましょう。
コットンは化粧用のものでかまいませんが、最近は専用のコットンも販売されているようです。ドラッグストアなどで、探してみましょう。
ある程度爪が伸びてから
ただ、コットンパッキングは爪が短いとできないので、ある程度爪が伸びて、爪と皮膚の間にコットンが入る余裕ができてから、試してみましょう。
余裕がないのに無理に押し込もうとすると、逆に痛くなる場合や、爪がはがれてしまう場合があります。
コットンははずれやすいので、テーピングをしてはずれないようにしましょう。また、靴を履くと圧迫して負担をかけるので、サンダルなどを履くとよいでしょう。
足の指と爪、そしてコットンは清潔に
注意することは、指と爪とコットンを清潔に保つということです。
足は特に汚れやすい部位なので、お風呂で丁寧に洗い清潔にしておきましょう。お湯につけることで足指の皮膚や爪がやわらかくなって、お風呂上がりにコットンが詰めやすくなるという利点もあります。
コットンも、毎日新しいものに取りかえましょう。数日間同じコットンを使い続けると、雑菌が繁殖して炎症を起こしてしまうかもしれません。
もし、コットンパッキングをした部分が化膿などを起こした場合は、すぐに専門家を受診しましょう。そのままコットンを詰め続けていると、さらに悪化する可能性があります。
セルフチェックで確認
まずは自分の巻き爪がどの程度なのか、巻き具合や周囲の皮膚の状態をセルフチェックして、コットンパッキングが試せるかどうかを確認してみましょう。
足の巻き爪は、他の人と比べることもできませんし、人に見せることにも抵抗があるので、インターネット上のサイト画像などを参考にするとよいでしょう。
巻き爪の初期症状を過ぎて、爪の巻き具合がよりひどくなり皮膚にさらに食い込んでしまったような場合、化膿したり炎症を起こしたりしている場合などは、コットンパッキングは適切な処置ではありません。無理にコットンを挟むと、痛みや炎症がさらにひどくなります。
軽度な初期症状の人が行える処置なので、悪化している場合は専門家に相談しましょう。
コットンパッキングのデメリット
手軽で便利なコットンパッキングですが、デメリットもあります。
- 毎日取りかえなければいけないことが挙げられます。上述したように、清潔に保つことが大切なので、毎日新しいコットンと交換する必要があります。
- 雑菌が繁殖しやすいこと。
汚れやすく不潔になりやすい足指の先にコットンを挟んでおくと、雑菌がつきやすく繁殖しやすくなります。やわらかくデリケートな爪と皮膚の間に、雑菌が繁殖すると化膿しやすくなり、炎症を起こしてしまいます。 - 人に処置をしてもらうと痛いこと。
他の人にコットンを詰めてもらうと、詰め具合の加減がわからないので、鋭い痛みを感じることがあります。自分で加減を見ながら、詰めるのがよいでしょう。
長期間コットンパッキングを続けていると
長期間コットンパッキングを続けていると、コットンにより爪が押し上げられ、反対に皮膚は押し下げられて陥没して、爪と皮膚がはがれてしまいます。さらに爪がそり上がって変形することもあります。そうなると、矯正に時間がかかってしまいます。
コットンパッキングは、手軽にできて痛みをある程度緩和させることはできる良い方法ですが、必ずしも巻き爪を矯正する力があるとは言えません。「巻き爪かな?でも病院に行くほどでもないな」と思ったら、このコットンパッキングを試してみるのもよいでしょう。
あくまでも症状が軽度な初期の人が、痛みを緩和するための応急処置なので、本気で巻き爪を治したいと思ったら、早めに他の矯正療法を行うことをおすすめします。
巻き爪は矯正することができるので、あきらめないでください。コットンパッキングで痛みをやわらげた後は、専門家に相談して早めに矯正をしましょう。それが、早くきれいな爪にするためのより良い方法です。