爪が丸く変形し、皮膚に食い込んでしまう巻き爪。足の親指にできることが多く、食い込みが強くなると痛みが出たり、食い込んでいる部分が炎症を起こしたりします。
巻き爪になっているのに痛みはなく、生活に支障がないという人も中にはいますが、痛みがなくてもフットジェルは避けたほうがよいでしょう。その理由を以下にお伝えいたします。
マニキュアとジェルネイルの違い
ひと昔まえはネイルといえばマニキュア(ポリッシュ=ネイルカラー)でしたが、今ではネイルといえばジェルネイルを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
マニキュアとジェルネイルは、爪を飾ってオシャレを楽しむという点では同じですが、原料も方法も、除去の仕方も異なります。
巻き爪が心配されるのはジェルネイルです。まずは両者の違いについてご説明します。
マニキュア(ポリッシュ=ネイルカラー)の特徴
マニキュアは顔料と呼ばれる色素と有機溶剤が原料で、爪に塗った後に自然乾燥させて硬化させます。
キャップに筆がついた状態で販売されているので、自分で簡単に塗ることができますが、カラーがもつのは3~5日ほどで、カラーがはげてきたら市販の除光液を使うと簡単に落とせます。
ジェルネイルの特徴
ジェルネイルは、ジェル状の樹脂を爪に塗ったあと、UVライトを当てて固めます。自分で施す人もいますが、たいていはネイルサロンで行います。
マニキュアにはないツヤ感と透明感が出せ、アレンジも自由にできます。
約2週間~1カ月という持ちの良さで、強度が強く、マニキュアのようにボロボロはがれ落ちてくることがありません。
マニキュアで使う除光液では落ちず、アセトンという有機溶剤を使って落とすことが多いです。
巻き爪とフットジェルの関係
足に施すジェルネイルをフットジェルといいます。サンダルを履く夏は、足の爪をフットジェルで飾りたい女性も多いと思います。
「巻き爪でも、痛みがなければいいのでは?」と考える人もいると思いますが、痛みがなくてもフットジェルは避けたほうがよいでしょう。
なぜなら、すべての人ではありませんが、健康な爪でも長時間ジェルネイルをつけたままでいると、巻き爪になる傾向があるからです。
ジェルネイルはマニキュアよりも厚みがあって重いです。さらに持ちがよいので、1カ月ほどつけたままにすることも珍しくありません。その間、ずっと爪にはジェルネイルによる圧力がかかり続けているため、両端が巻きやすくなります。爪の弱い人や薄い人は、特に注意が必要です。
また、足の親指は負担のかかりやすい部位なので、すでに巻き爪状態なのにフットジェルを施すと、悪化する可能性が高くなります。
巻き爪は自然に治らない?
いったん巻き爪になると、自然に治ることはほとんどないのが現状です。症状はどんどん進行し、痛みを伴うことも少なくありません。そのため、症状はなくても、早めに治療を開始するのが望ましく、早ければ早いほど簡単に治ります。
フットジェルは、巻き爪が治ってから施すのがよいでしょう。
乾燥も巻き爪の原因に
爪は皮膚の角質層なので、皮膚と同じように潤いが必要です。しかし、ジェルネイルをしていると爪が乾燥します。
その原因は、有機溶剤のアセトンだと考えられています。アセトンは両親媒性という、水と油のどちらにもなじむ性質があります。この性質により、皮膚や爪の水分と油分の両方を短時間で取り去ってしまうため、爪の乾燥を引き起こします。
特に、爪の内側の乾燥によって爪の主成分であるケラチンが収縮するため、爪が丸まっていく傾向にあります。これはスルメを焼くと丸まっていくのと同じ仕組みです。乾燥した爪はトラブルの原因となりますので、普段から保湿ケアを心がけることが大切です。
爪の保湿ケア方法
爪の保湿ケアは、体の内側からのケアと外側からのケアがあります。内側からのケアは、水分補給を行うことと、バランスのとれた食生活を心がけることです。
特に良質のたんぱく質や、爪の主成分であるケラチンの形成に欠かせないビタミンA、強い爪を育てるビタミンB2、血行をよくするビタミンEなどが大切です。
外側からのケアとしては、保湿効果の高いクリームやオイルを、お風呂上りや寝る前に塗ることです。
ジェルネイルをしていても、すべての人が巻き爪になるわけではありません。爪が強い人、厚みのある人は巻き爪にはなりにくいのですが、すでに巻き爪になっている場合は、悪化する可能性があるので、まずは治療に専念することをおすすめします。
ジェルネイル以外にも巻き爪になる要因が
サイズが合わず、歩くと痛みを感じる靴や、履くと足の親指や小指が曲がってしまう靴も巻き爪の原因となります。
すでに巻き爪の人は、一定期間、ハイヒールや先の細くなった靴を避け、足の健康を第一に考えた靴を履くようにしましょう。
また、歩き癖を解消し、正しい歩き方を意識することで、爪への負担を軽減することも大切です。
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